北軽井沢観光協会からヴィラ北軽井沢エルウイングを抜け、その先の浅間ロイヤルパーク内に『美味旬菜フレンチの宿 北軽井沢 夢紀行』はあります。
「こんなご時世だし、ゆっくり過ごしてリフレッシュしてもらいたい」そう語るのは、オーナーの澤枝さん。今回は奥様の小百合さんに話を伺ってきました。
お洒落な北欧風の外観の夢紀行さん。取材当日は雪が降りしきる真冬の寒い日でしたが、玄関に足を一歩踏み入れると、どこか懐かしさを感じる落ち着ける空間がそこにあり、小百合さんが温かく出迎えてくれました。
小百合さんのご主人とそのご両親が平成元年に創業した夢紀行は、今年で34年目。
北軽井沢では珍しく、本格的なフランス料理を味わうことができます。
「うちはペンションというより、オーベルジュなのよね。だから食事をメインに楽しんで欲しい」と小百合さんは言います。
*オーベルジュとは、宿泊施設を備えたレストランのこと。料理を食べ終わったあと、その美味しさの余韻に長く浸るために泊まれる部屋があるというイメージ。
地産地消を意識し、料理に使われる材料はなるべく北軽井沢産か近隣の長野県のものを使うようにしています。
良質な素材を使って作る料理が自慢の夢紀行さんですが、オープン当初はシンプルな洋食(欧風家庭料理)を提供するにとどまっていました。
当時はペンションブームで、どうにかして周りと差別化を図りたいと考えていましたが、なかなかいいアイディアが思い浮かばなかったそう。
そんな中、転機が訪れたのは2001年。
「長野県の松本にオーベルジュがあって、家族みんなで旅行に行ったときに、『ここのフランス料理いいね!うちも出そうよ』ってなったんですよ」と小百合さん。
思い立ったが吉日、そのオーベルジュのオーナーシェフにフランス料理を習うため、月に一回松本を訪れる生活を三年続け、本格フレンチを提供する宿へとスタイルを変えました。
美味しい料理に、小百合さんの優しい笑顔と軽快なトークが忘れられず、何度も足を運んでくれるお客様も多く、中には三世代にわたって訪れる方もいるそうです。
小百合さんは、「主人がアクアソムリエの資格を持っていることもあって、水にはちょっとこだわっててね。だからうちの水は美味しいと思う。料理にもそれが活かされてるのよ」と嬉しそうに言います。
夢紀行さんで提供される料理を下支えしている水は、不純物が一切入っていないミネラル豊富な伏流水をポンプで吸い上げて使用しており、フレンチとの相性が抜群。水のあまりの美味しさに、ペットボトルに入れて持ち帰るお客さんもいるとか。
ここ最近は新型コロナウイルスの影響で、客足が若干遠のいていますが、その間に小百合さんが野菜ソムリエの資格を取るなど、日々お客さんのために研鑽を欠かさない前向きな姿勢に、夢紀行さんが長年愛される理由がわかった気がしました。
「夫婦二人でやってるから大変なこともあるけど、お客さんとの会話がなにより楽しくって」と表情をほころばせる姿に、なんだか身も心も温かくなったことを覚えています。
人が生きていくうえで欠かせない三大要素と言われる衣食住のうち、美味しい食と心地良い住を提供してくれる夢紀行さん。
肩肘張った都会の生活にちょっと疲れてしまったときは、英気を養い、明日への活力を産み出すために、夢紀行さんで過ごしてみてもいいかもしれませんね。
北軽井沢の奥深い森の中にある小さなオーベルジュ、是非一度訪れてみてください。
夢紀行さんの公式サイトはこちらから